はじめに
21世紀の公共交通

 「古くて新しい路面電車」・・・路面電車の置かれた状況を分かりやすく、かつ簡潔に表現した言葉です。
19世紀末、路面電車が生まれ、20世紀全盛期を迎え、そして衰退しました。しかし今、路面電車は21世紀の公共交通を代表する乗り物として新しく生まれ変わりつつあります。
 過度に車に依存した社会は、渋滞や大気汚染に始まり、化石燃料の浪費、自動車事故の増加、そして都市のスプロール化を招き、その結果、大気環境の悪化、中心市街地の衰退、都市周辺の自然破壊、ゆとりと人間らしさの喪失、そして公共交通システムの破壊を引き起こしました。
 車は便利なもの、そして行きたい時に行きたい所まで私たちを運んでくれる夢のある乗り物。そのことをすべて否定することはできません。しかし、私たちは無邪気に喜んでばかりはいられません。今、真に豊かで、人間が本当の意味で幸せに暮らせる21世紀の都市の再構築が必要とされています。都市をできるだけコンパクトで機能的なものに設計しなおし、その中で車と公共交通との役割分担も見直し、人間味があり、美しく、ゆとりと文化を楽しめるまちを創ることを目指したいものです。
 今、公共交通の重要性が見直される中で、すでに、世界の各地で、そして日本の各地でも新型の路面電車(ライト・レール)を活かした新たなまちづくりがはじまっています。今回、伊奈副会長の執筆した中学校国語教科書の「古くて新しい路面電車」の文章を冊子にしてお届けすることにいたしました。この冊子をより多くの市民の皆さんや、次代を担う青少年の皆さんが、21世紀のまちづくりを考えるきっかけとしていただければ幸いです。
 終わりになりましたが、国内外の路面電車の最新情報の写真をご提供いただいた都市交通研究家の服部重敬氏に心よりお礼を申し上げます。

とよはし市電を愛する会会長
豊橋創造大学短期大学部教授

寺 本 和 子

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とよはし市電を愛する会
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